Contentfulの有料プランでは何ができるの? 無料版との違いや便利な機能を解説
どうも、ベルリンオフィスの小西です。
無料版でも小さいサイトであれば作れてしまうヘッドレスCMSのContentfulですが、有料版にアップグレードすることでより規模の大きいサイトや使いやすさが向上します。
今回は無料版との主な違いや魅力的な有料機能を紹介したいと思います。
基本的に無料版でも使える機能の説明などは省いており、かつ記事執筆時点の情報である点にご留意ください。
はじめに - Contentfulの3つのプラン
Contentfulは、利用規模に応じてプランが3段階に分かれています。
後述しますが、ユーザー数、スペース数(サイトの単位)、API利用上限などに応じて検討してください。
Community(無料版) | Team | Enterprise | |
金額 | 無料 | US$489/month (Medium) // US$879/month (Large) | クラスメソッドにご相談ください |
用途 | 個人利用や小規模(5人以下)のチーム | 小中規模なプロジェクト、単独の部署や小規模な会社での利用など | 部署やサービスを横断した大規模な利用、権限管理や記事公開ワークフローが必要な場合 |
1. 有料版で利用できる機能
まず初めに、無料版では利用できない主な機能を紹介します。
Compose + Launch
簡単にいうと、
- Compose ... 複雑な事前設定なしにページを作成・公開できる機能
- Launch ... 複数記事をグルーピングして公開スケジュールを設定できる機能
です。
特にComposeについては以前に記事を書いており、基本的に事前定義が必要なヘッドレスCMSのとっつきにくさを解消してくれるものになります。
カスタムロール
Contentfulダッシュボード上でどのような作業を許可または禁止するか、権限設定を細かくカスタマイズできる機能です。
イメージとしてはAWSのIAMロールに近いです。
例えばこんなユースケースで使えます。
- 「編集禁止」というタグをつけた記事について、Adminユーザー以外が編集できないようにする
- 「ライター」というロールに所属するユーザーに対し、記事の執筆は可能にし、公開に削除はできないようにする
- 全てのユーザーに対し、記事内の特定のフィールドのみ編集できないようにする
※エンタープライズ限定
アセット保護機能
画像やzipなどのアセットをContentfulにアップロードすると、それぞれに固有のエンドポイントURLが発行されます。URLにはランダムな文字列が含まれるため推測は困難ですが、それらのURLを知っている人であれば、アセットの公開前の時点でもアクセスができてしまいます。
アクセス保護機能を有効化することで、アセットエンドポイントへのアクセスに制限をかけることができ、URLパラメーターとして時限付きの署名を付与しないとアクセスを許可しないように設定できます。
ContentfulのAPIは3種類あるのですが(公開済記事取得用、プレビュー記事を含めて全記事取得用、更新可能な管理用)、プレビュー&管理用APIで取得できる画像のみ保護する、ということも可能です。
厳密なアセット保護が必要なユーザーにとって助かる機能です。
署名はAPIトークンとJWTを使って生成します。
参考記事: https://www.contentful.com/developers/docs/tutorials/general/embargoed-assets-getting-started/
Workflows
記事公開までのワークフローを設定できます。例えばAuthorが書いた記事に対して、EditorとLegalというロールのチェックを通った記事のみ公開を許可、といったフローが定義できます。
AWS Webhook 連携
ContetnfulはAWSのAdvanced Technology Partnerになっており、100を超えるAWSサービスとContentfulを直接、簡単に接続できます。
例えばContentful側のイベント(例: 記事公開、アセットアップロードなど)をトリガーに、LambdaやS3、SQSをトリガーできる設定が簡単に行えます。
※エンタープライズ限定
SSO
Contentfulのダッシュボードへのシングルサインオンを可能にします。
下記のIdPをサポートしています。
- Microsoft Azure AD
- miniOrange
- Okta
- OneLogin
- Ping Identity
※エンタープライズ限定
Tasks
タスクは記事の編集ページで設定できます。その記事に紐づいた全てのタスクが完了にならないと、記事は公開できません。タスクには担当チームや担当ユーザー、締め切りを設定可能です。特定の記事モデルのみで表示させるといったことも可能です。
※エンタープライズ限定
2. 使用量上限の緩和
プランに応じて様々な上限が開放されます。
ここでは無料版を利用していて主に引っかかりやすい制限に絞って紹介します。
ユーザー数
ダッシュボードにログインできるユーザー数です。基本的に1つのアカウントを複数ユーザーで使い回すことは禁止されています。
Community(無料版) | Team | Enterprise |
5人まで | 10~25人 | 10人〜制限なし |
レコード数
記事やアセットをまとめて、レコード数としてカウントします。無料版でも十分なレコード数ですが、投稿される画像が多いサービスだと比較的すぐに有料版の検討が必要になると思います。
Community(無料版) | Team | Enterprise |
25K | 25K (Medium) // 50K (Large) | 応相談 |
API calls
ContentfulはヘッドレスCMSのため、記事やアセットを取得するのにAPIで呼び出しを行いますが、その月々の回数に制限があります。
Community(無料版) | Team | Enterprise |
2,000,000/mo. (hard limit) | 2,000,000/mo. with overages | no limit |
Locale数
Contentfulでは複数言語での入力機能を予めサポートしていて、その言語設定をLocalesと呼びます。3言語以上の多言語サイトを作る場合、基本的には有料プランの契約になります。
Community(無料版) | Team | Enterprise |
2 | 7 (Medium) // 10 (Large) | 応相談 |
Roles数
ユーザーを権限に応じたグループ(Administorator, Editor...)に振り分けることができます。
Community(無料版) | Team | Enterprise |
2 | 2 (Medium) // 4 (Large) | 応相談 |
3. サポート
有料プランにアップグレードすると、Contentfulのテクニカルサポートエンジニアが技術的な質問に回答してくれます。
ContentfulはSDKやAPIのドキュメントが非常に充実していますが、それでも不明点や技術的な問題に当たった場合に、Contentfulの手厚いサポートを得ることができます。
私はよくContentfulのカスタムアプリ(Contentful用の自作プラグイン)を作るのですが、その開発中のコードレベルの質問にも、エンジニアが丁寧かつ迅速に回答してくれて非常に頼りになります。
4. SLA(Service Level Agreement)
SLAはエンタープライズのみに適用されます。
ダッシュボードやAPIのエンドポイント、それぞれの正常稼働割合に応じて返金が行われます。
https://www.contentful.com/legal/service-level-agreement/
また、サポートチケットの回答時間にもSLAが適用されます。
Contentfulの有料プランをご検討の方へ
クラスメソッドは、Contentfulの日本での唯一のパートナーになっています(記事執筆時点)ので、有料プランをご検討の際は是非一度ご連絡ください。
クラスメソッドを通じてご契約いただいたお客様には、下記のサービスを提供しています。
- 日本語によるサポート・代理チケット起票
- Contentfulダッシュボードの日本語化プラグインの提供
- ユーザー数や利用状況に応じて柔軟な契約形態
- 新機能のリリース前トライアル
その他の違い
上記はあくまで記事執筆時点の情報です。
最新の機能一覧や各プランの詳細は下記からご確認いただくか、弊社までお問い合わせください。